目 次
ニュースフラッシュ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1
シンガポ-ルはもはや淡路島でも東京23区でもありません!!・・・・・・・・・ 3
日本シンガポール協会会長 鈴木 貞男
まさに目から鱗の視点です。海を埋め立てて国土を拡げるシンガポールの勢いは凄まじいものがあります。 1965年の独立当時から47年を経てシンガポールの国土は23%も増えています。 日本シンガポール協会は今後「シンガポールはもはや淡路島でもなければ東京23区でもありません」とアピールすることにしています。
シンガポール進出企業シリーズ(その6)
ANA、悲願の国際線進出の軌跡とシンガポール“ツーリズム産業”
先進国シンガポールに学ぶ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4
元全日空専務取締役(元ANA Hotels Singapore Pte Ltd Managing Director)
山下 光二
企業シリーズは全日空ANA。日本の航空業界は第2次大戦後の空白期から長らく官庁主導の「規制と保護政策」により後発性を余儀なくされた。 ANAは創業以来国際線進出を“悲願”として来たがその前提としてのホテル進出が会社戦略の基点となった。 筆者は1979年のANA第2の海外ホテルの立ち上げからシンガポールに赴任し、それが1991年の成田~シンガポール線開設への礎となった。 ダボス会議の「世界の旅行・観光競争力比較」では、早くから「ツーリズム産業立国」を目指したシンガポールと後発日本との差は大きい。 特に筆者が指摘する「人的資源」の比較で日本は139カ国中134位と言うショッキングなランクである。 観光業界のみならずあらゆる事業分野で日本の国際競争力を問われている。 以って他山の石とすべきであろう。
ジャカランダの花に魅せられて・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・14
三菱重工OB、(一社)日本シンガポール協会会員
北原 靖久
筆者は1987年のシンガポール赴任以来シンガポール・アイランドCC(SICC)で咲くジャカランダと初めて出会って以来、すっかりその「透明感と清涼感」に魅せられて、オーストラリアへのジャカランダ詣での美しい写真をご提供頂きました。
世界初の24時間日本語テレビ放送「Hello! Japan(ハロー!ジャパン)」
~アジアと日本をつなぐプラットフォーム~・・・・・・・・・・・・・・・・・・19
Reona Mori(森 玲雄那)
General Manager Hello! Japan, J Food & Culture TV PTE LTD
2013年2月25日シンガポールを舞台にアジア人を対象とした日本語テレビ放送「ハロー!ジャパン」がスタートした。今後アジアの10カ国に順次展開されるとのこと。 今までシンガポールにはNHKのみが日本のテレビチャンネルだったがこれからはますます幅広く日本の文化を伝えてくれることでしょう。
「豊饒の海」のキー・ストーン
第7話 オランダの帆を上げた男・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・22
(一社)日本シンガポール協会 会員 矢延 洋泰
今回は第7話。オランダがポルトガルから遅れること100年にして、オランダの公証人の息子ヤン・ホイフェン・ファン・リンスホーテンは14年にわたるインドへの航海で得た貴重な情報をもとに1595から96年にかけて「東方案内記」以下3部作を上梓した。 これによりオランダはポルトガルとの対決を避けるように、インドに近づくことなく香料の産地近くのジャワに直行するルートを開拓した。
新会員から一言・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・27
ウィザーズ国際法律事務所 弁護士・公認会計士 尾高 雅美
新会員の方から寄稿を頂きました。初めてのシンガポール旅行では全く魅力のないつまらない国だった →Nanyan大学留学で「住めば都」になるが、しかしキャンパスに閉じこもり →それが2012年に6年ぶりに訪問してビジネスマン達との交流で考え方もすっかり変って行くと言う「変化」が興味深い話でした。 今後も新会員の方がたからのご寄稿をお待ちしています。
タナメラ カントリークラブ からのお客様・・・・・・・・・・・・・・・・・・35
(株)芦の湖カントリークラブ 代表取締役社長
(一社)日本シンガポール協会 会員 野村 茂継
芦ノ湖カントリークラブの提携ゴルフ場であるシンガポールのタナメラCCのメンバー同士の民間交流が進んでいる。 2012年11月4日、タナメラCCから11人のメンバーが来日し、5泊6日のゴルフ旅行が実現した。 芦ノ湖カントリークラブからは女性メンバー9人が参加して折から快晴のなか秀麗な富士山に全員が感激したそう。 この後日譚は、今年1月芦ノ湖カントリークラブメンバー22人がタナメラCCを表敬訪問して歓待を受けた由。その詳細は夏号で。
第13回 国際マンガサミット鳥取大会開催に寄せて
マンガ・アニメと日本古来の映像文化
~鳥獣人物戯画から初音ミクまで~ (その2)・・・・・・・・・・・・・・・・37
(一社)日本シンガポール協会 顧問 山田 章
日本は古来から狂歌・川柳、また能に対する狂言など滑稽・風刺の芸術化とその笑いの中に鋭い社会風刺・批判を込めて権威に対する反骨精神を忘れなかった。 遊び心でサブカルチャーを楽しむのが得意な日本文化の特徴であり、鳥羽僧正の鳥獣戯画はまさにその真骨頂である。 現代のコミックはITを抜きに語れない。その代表が「初音ミク」。映像表現でのコミュニケーションは得意な日本人がその課題とするところは「言葉での対話」「ディベート(討論)」であろう。 古代日本人が絵図で異文化とのコミュニケーションを楽しんだように、欧米人とももっとゲーム感覚でディベートを楽しみたいものだ。
最近の新聞報道から・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・41
新会員紹介・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・51
事務局便り・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・54
編集後記・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・55
各地のシンガポール協会紹介
目 次
ニュースフラッシュ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1
・「第43回定例総会」:4月20日(土)
・「アフタヌーン・ティ・サロン」:5月30日(木)
・「第10回シンガポール日本人学校OB&OG懇親会」:6月8日(土)
・ 講演会「アベノミクスの行方とアセアン諸国への影響」藤巻健史氏:6月20日(木)
「日本と東アジア諸国との関係―最近の問題」・・・・・・・・・・・・・・・・・・3
朝海和夫元在シンガポール公使による講演録
2013年2月13日、元在シンガポール公使・元ミャンマー特命全権大使などを歴任された朝海和夫氏をお迎えして「日・ASEAN友好協力40周年記念事業」の講演会を開催しました。氏は、日本・ASEANの歴史を顧み、ASEAN諸国と日本の関係のますますの重要性を強調されるとともに、昨今の日米中の「トライラテラルな関係」から米・中それぞれのASEANに対する思惑を分析されています。また、今や大きな懸念となっている中国の南シナ海での領有権紛争に触れられ、就中、尖閣諸島に関しては「危機管理システム」の構築や米国・東南アジア諸国を「日本の理解者」にする努力の必要性を説かれます。もはや「共存」するしかない日中は40年前の国交正常化の原点である「戦略的互恵関係」の精神に立ち戻り、容易ではないけれども双方が信頼関係醸成に努力を積み重ね、東南アジアで日米中3国が協力し合うようになって欲しいと訴えられました。
シンガポールにおける日本企業の生い立ち
~東京海上日動社~・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・12
(一社)日本シンガポール協会参与 大久保智夫
(元東京海上シンガポール社社長)
本号では、「シンガポール進出企業シリーズ」の連載を一回お休みし、進出企業シリーズに主役として登場して来た事業者に寄り添って、その裏方的役割を果たしてきた損害保険事業の「東京海上日動社」のシンガポールにおける生い立ちについて寄稿して頂きました。シリーズの番外編として、製造業や商社とは事業の性格が異なる「損害保険事業」の実態を知って頂く興味深い記事になりました。本題の事業関連以外にも、過去SICCでの落雷事故で日本の駐在員が亡くなったことも記述され、シンガポールで相変わらず多発するゴルフ場での落雷事故について読者の方にも参考になることもあるかも知れません。
「豊饒の海」のキー・ストーン
第8話 オランダ東インド会社の登場・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・24
(一社)日本シンガポール協会 会員 矢延 洋泰
連載第8話。1492年コロンブスが「貿易風」と「偏西風」を利用して大探検航海を成功させた通り、その時代はポルトガルをはじめスペイン、イギリスにしても「風」を見つけて航海のルートを開拓した。遅れて来たオランダは先達の極秘情報を入手するとともに、赤道の南側にも同じような「風系」があるのではと、情報のさらに先を探ったのではなかろうか。前述のハウトマンは6000キロのインド洋を横断してジャワ島のバンテン王国に到達してこれを実証して見せた。1596年のことである。オランダは当時、今日のシンガポールのように地域の「ハブ」であり「風車」を工業動力とする造船技術と、スカンディナ・バルト海での漁業や交易で鍛えられた船乗りとを駆使してこれを成し遂げた。そして1602年には、乱立する交易会社群が難航の挙句に統一されて「連合東インド会社=VOC」が設立された。これが、海賊の利益と協調した女王陛下の「イギリス東インド会社」とも一線を画する、近代のビジネス・モデルの萌芽であり世界最初の株式会社の登場である。
まさかのシンガポール暮らし(その1)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・29
池袋西口 小川原デンタルクリニック 院長
(一社)日本シンガポール協会 会員 小川原 元成
筆者の小川原先生は歯科医師ですが、大学院を終えて大学付属病院に勤務を開始した年、医局の教授から突然指名を受けてシンガポールで日本人初の歯科医師として身重の奥様(奥様も心療内科医)とともに赴任した。3年の予定で赴任したところが結局14年半もの滞在になってしまったと言う、その数奇な巡り合わせを振り返り日本とシンガポールの歯科医療の「違い」について語られる。その根本は、シンガポールの「医師」には病院との「雇用契約関係」はなく、病院の諸施設・看護師などのスタッフ・病室などを有料で借用して治療行為をするという点。ほかにも日本とシンガポールの医療システムの違いは大きな「カルチャーショック」だった。シンガポールに赴任されていた方はお分かりでしょうが、これから赴任を予定されている方には大いに参考になるでしょう。
タナメラ カントリークラブ 表敬訪問記・・・・・・・・・・・・・・・・・・・32
(株)芦の湖カントリークラブ 代表取締役社長
(一社)日本シンガポール協会 会員 野村 茂継
芦ノ湖カントリークラブの提携ゴルフ場であるシンガポールのタナメラCCのメンバー同士の民間交流がさらに進んでいる。季刊誌前号の「春号」では昨年11月のタナメラCCメンバー11人が来日しての交流が紹介されたが、今「夏号」では芦ノ湖CCの総勢24人が提携先のタナメラCCとの3泊5日の親善ゴルフ旅行を実現したとのこと。さらにRuffles Country club とも提携の話が進んでいるとか。
古事記編纂1300年に寄せて(その1)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・34
(一社)日本シンガポール協会 顧問 山田 章
日本現存最古の史書「古事記」は、天武天皇の命により語り部・稗田阿礼が誦習した帝紀・旧辞をもとに、元明天皇の命により太安万侶が712年(和銅5年)に撰上した。それから数えて、今年2013年は「古事記編纂1300年」の節目の年になる。古事記はそのわずか8年後に舎人親王が撰上した「日本書紀」と並んで「記紀」と呼ばれる日本の歴史書・文学書であるが、史実を忠実に述べているかどうか謎が多い。また逆に言えばその豊富な神話・伝説・歌謡などから文学書として「夢と浪漫」も与えてくれる。筆者はまず今号で(その1)として出雲神話とケルト神話との対比、海神としての素戔嗚尊とポセイドンの対比から入るのが興味深い。
イベント報告
第43回定例総会の報告・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・37
最近の新聞報道から・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・39
新会員紹介・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・49
編集後記・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・54
各地のシンガポール協会